独立行政法人国立病院機構 刀根山病院

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患者様へ

呼吸器内科(各種肺疾患/感染症)

診療の特色

対象としている疾患は、呼吸器系腫瘍と結核を除くすべての呼吸器疾患です。慢性閉塞性肺疾患(肺気腫/慢性気管支炎など)、特発性間質性肺炎/サルコイドーシス/過敏性肺臓炎などのびまん性肺疾患、気管支喘息、細菌性肺炎をはじめとした呼吸器感染症、非結核性抗酸菌症、肺結核後遺症などの慢性呼吸器疾患およびこれらが原因となる慢性呼吸不全の診断および治療を行います。

主な対象疾患

慢性閉塞性肺疾患

慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、長期にわたるタバコのために気道閉塞を来す疾患で、体動時の息切れを主症状とする生活習慣病の一つです。さらに、病状の進行に伴い痩せ(やせ)などの合併症を併発してくることが知られており、COPDを全身性疾患として捉えていく必要があります。当院では、胸部CT、精密肺機能検査や運動負荷心肺機能検査による生理機能検査を行います。各種薬物療法、進行した患者様では在宅酸素療法、在宅NIPPV(非侵襲的陽圧呼吸療法)の導入も行います。当科の特徴として、疾患に限らず息切れの症状を訴えられた患者様には、実際に運動して頂き、その病態を調べる運動負荷心肺機能検査を行っております。当院でその検査を始めた1989年から2014年1月までの検査件数はのべ5957例になりますが、これまで検査に伴う大きな合併症はなく、安心して受けて頂ける検査と考えております。その豊富な症例数をもとに、各患者様の病態を運動生理学的に多角的に評価し、その病態に適した呼吸リハビリテーションを行っております。各患者様の多様な息切れが軽減でき、個々の患者さんにあわせて生活の質を向上させるように努めております。 
»»慢性閉塞性肺疾患に関するQ&A

びまん性肺疾患

特発性間質性肺炎、肺線維症、過敏性肺臓炎、サルコイドーシス、薬剤性肺障害など、肺全体に炎症が起こる様々な病気の総称です。これらの病気の多くは、診断の確定が難しく、また治療法も確立されているとはいえません。胸部高分解能CT、気管支内視鏡検査(気管支肺胞洗浄、気管支内視鏡下肺生検)、症例によっては外科的肺生検(胸腔鏡下肺生検)を行い診断します。その結果に基づいて、薬物療法、酸素療法、呼吸リハビリテーションを行います。
»»間質性肺炎に関するQ&A

気管支喘息

気管支喘息、あるいは喘息と病態は同様も喘鳴をともなわない咳喘息、慢性咳嗽の患者様について、呼吸機能検査、高分解能CTと、特に喘息の診断に有用な気道過敏性試験などをおこない、正確な病状診断につとめ、治療をおこなっています。気管支喘息は、気道の慢性疾患であり、発作がない時でも、気道炎症は継続しており、潜在的に病状が進行し、不可逆な気流閉塞をきたすことがあるため、健康な方と変わらない日常生活が送ることができることを目標として適切な治療を継続する必要があります。また、喘息として治療を受けていても症状が良くならない患者様の中には、慢性閉塞性肺疾患(COPD)あるいは、気管支拡張症などの他の呼吸器疾患を合併している場合もあり、診断後に病態に合わせて加療をおこない、喘息コントロールの改善をはかります。近年、気管支喘息の薬物治療は吸入療法が主体となっており、当院でも、ピークフローメーターを使用した喘息日誌での自己管理といった従来からの喘息コントロール向上のための指導に加え、吸入指導の強化をおこなっています。さらに重症喘息に対するオマリズマブ、メポリズマブといった分子標的治療薬による治療、2015年より保険収載された気管支サーモプラスティという新規治療法を導入し、よりよい喘息治療を目指しています。
»»気管支サーモプラスティ

呼吸器感染症

一般細菌による肺炎、非定型肺炎については、ガイドラインを参考に個々の患者様の状態に合わせて適切な診断・治療を心がけています。

非結核性抗酸菌症

非結核性抗酸菌症(非定型抗酸菌症)の中で肺 Mycobacterium avium complex(MAC)症は、近年、中年期以降の女性を中心に増加しています。結核菌と同じ抗酸菌の仲間ではありますが、その性質は全く異なりヒトからヒトへの感染はないとされています。MAC症をはじめとする非結核性抗酸菌症は、未だ診断・治療法が確立されておらず、治療に難渋する症例も少なからずあります。当院で開発した抗酸菌症血清診断を用いて非結核性抗酸菌感染の補助診断も実施しています。当科では、豊富な症例をもとにMAC症の診断と治療に関する研究を積極的に行っています。
»»非結核性抗酸菌症に関するQ&A

慢性呼吸不全

様々な呼吸器疾患により呼吸不全に至った患者様に対して、個々の患者様の病態と生活にあわせた呼吸リハビリテーションを行い、在宅酸素療法を行っています。現在、当科では約250名の患者様が在宅酸素療法を受けておられ、非侵襲的陽圧呼吸療法を在宅で受けておられる方も約60名にのぼります。慢性呼吸不全の患者様には、「少しでも楽に、安心して、在宅でより長く生活できる」ことを目標に、地域の訪問看護ステーション・医師会と連携した在宅ケアにも積極的に取り組んでいます。今後とも、さらに病診連携や地域の訪問看護ステーションなどとのネットワーク作りを進めていきたいと考えています。当院で在宅酸素療法を受けているCOPD患者さんの生命予後は、50%生存期間が8.9年と世界最長に達していると思われます。また、結核後遺症も、80%以上が10年以上生存されています。このことより、在宅酸素療法は生命予後を改善することより、如何に生活を豊かに過ごすかが目標になっています。

スタッフ紹介

名前 博士・専門医
北田 清悟
(責任者)
呼吸器内科部長・臨床研究部抗酸菌研究室室長:医学博士 内科学会指導医・認定医 呼吸器学会指導医・専門医 結核・抗酸菌症指導医 ICD
三木 啓資 臨床研究部呼吸器学研究室室長:医学博士 内科学会指導医・総合内科専門医 呼吸器学会指導医・専門医 呼吸器内視鏡学会指導医・専門医
三木 真理 内科医長:医学博士 内科学会指導医 総合内科専門医 呼吸器学会指導医・専門医 アレルギー学会専門医
好村 研二 呼吸器集中治療科医長:日本内科学会指導医・認定医 呼吸器学会指導医・専門医
橋本 尚子 呼吸器内科医師
藤川 健弥 呼吸器内科医師:結核・抗酸菌症指導医
辻野 和之 呼吸器内科医師:医学博士 内科学会認定医 呼吸器学会専門医 呼吸器内視鏡学会専門医
押谷 洋平 呼吸器内科医師:内科学会認定医 呼吸器学会専門医 結核・抗酸菌症認定医
香川 浩之 呼吸器内科医師:内科学会認定医 呼吸器学会専門医 結核・抗酸菌症認定医
呉家 由子 呼吸器内科医師:医学博士 内科学会認定医 呼吸器学会専門医
西田 浩平  呼吸器内科医師:内科学会認定医
細野 裕貴 呼吸器内科レジデント:内科学会認定医
枝廣 龍哉 呼吸器内科レジデント
暮部 裕之 呼吸器内科レジデント
森 雅秀
(呼吸器腫瘍内科
   部長兼務)
呼吸器腫瘍内科部長:医学博士 内科学会指導医・総合内科専門医 呼吸器学会指導医・専門医 呼吸器内視鏡学会指導医・専門医 がん治療認定医機構暫定教育医・認定医 ICD 日本医師会認定産業医

日本内科学会総合内科専門医3名(指導医5名)
日本呼吸器学会呼吸器専門医9名(うち指導医5名)
日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡専門医3名(うち指導医2名)
結核・抗酸菌症認定医 3名 指導医1名
日本アレルギー学会アレルギー専門医1名
ICD協議会infection control doctor 2名
身体障害福祉法に基づく指定医(呼吸器)7名

 

病棟

A病棟4階 60床

A病棟5階(混合病棟) 10床

RICU 4床

診療を希望される患者様へ

呼吸器内科(呼吸器腫瘍内科)では、初めて(あるいは久しぶりに)当院の診察を受けられる患者さんを対象として、平日(月~金)午前に初診専用外来を開設しています。せき、たん、息切れ、胸痛、血痰などの自覚症状を有する方、あるいは胸部レントゲンで異常を指摘された方などが対象となります。

原則として、かかりつけの先生にご紹介を頂き、胸部レントゲンなどの資料をお持ちになって当院へお越しください。(過去の検査結果やレントゲン写真は診療の参考になります)

日によっては、初診の患者さんが多数集中することがあり、予想以上にお待ちいただくことがあります。できるだけ円滑に診療を行うよう努力をしておりますので、あらかじめご了承ください。

また、多くの患者さんがかかりつけ医の御紹介により連日新しく受診されます。当院での診断・治療の結果、病状が安定された場合には、主治医が患者さんと御相談の上で、その後の治療をかかりつけの先生にお願いしております。もちろん、病状が不安定で呼吸器専門医が引き続き治療を担当する必要がある場合には、当院の外来にて治療を継続させていただきます。

セカンドオピニオン

肺がん以外の呼吸器疾患に関するセカンドオピニオンも受け付けております。呼吸器内科部長・医長が担当いたします。お申込みは、ホームページ右側のセカンドオピニオンの項をご覧ください。(肺がんは呼吸器腫瘍内科の医師が担当いたします)

ご紹介を頂く医療機関の先生方へ

当科では呼吸器疾患全般について診療を行っています。紹介状・資料をご用意いただき、地域ネットワークセンターを通じて予約をお願いいたします。明らかに入院が必要と見込まれる患者様につきましては、病床管理上あらかじめ当科に直接電話で御連絡を頂けると助かります。

夜間休日に関しましては、原則として初診救急は受け付けておりません。初診あるいは数年来院のない患者さんにつきましては、救急病院の受診を御考慮下さい。当院に定期的に通院している患者さんにつきましては、あらかじめ当直医と御相談の上で、受診を御指示下さい。なお当直医が呼吸器内科医とは限らない点をご留意ください。

また、当院の内科は呼吸器内科と神経内科の単科です。循環器、消化器などの合併疾患については専門的対応が困難な状況にありますので、重篤な合併症のある方につきましては、担当医に予めご相談頂けると幸いです。

症例の選択、御不明の点などがありましたら、地域医療相談室へ御遠慮なくご連絡いただければ対応させていただきます。

診療実績

  2015年 2016年
入院患者(主病名) 延べ867名 延べ915名
非結核性抗酸菌症 206名 206名
間質性肺炎 153名 199名
慢性閉塞性肺疾患 119名 136名
肺感染症 78名 88名
慢性気管支炎/気管支拡張症 56名 45名
肺結核後遺症 43名 50名
結核疑診(結核) 40名 36名
気管支喘息 36名 47名
胸膜炎 29名 25名
肺真菌症 19名 12名
びまん性肺疾患(IP以外) 17名 30名
悪性腫瘍 14名 11名
気胸 10名 7名
心疾患 7名 9名
その他 40名 14名

呼吸生理機能検査・リハビリテーション 件数

  2013年 2014年 2015年 2016年
モストグラフ 488件 485件 597件 750件
FeNO NA 211件 492件 677件
アストグラフ 40件 36件 38件 47件
運度負荷心肺機能 85件 86件 141件 143件
呼吸器リハビリテーション 142件 189件 234件 305件

呼吸生理機能検査・リハビリテーション 件数

業績

当科では、患者さんの診療に力を入れるのは当然のこととして、北摂最大の呼吸器内科部門としての責任を果たすため臨床研究を積極的に行っています。抗生物質などの新しい薬の治験も行っています。また、他施設と共同研究も行っています。

また、当科で行った臨床研究や新しい知見については、積極的に学会や専門雑誌で発表を行っています。

以下は当科の医師が発表した学会発表、学術論文の一覧です。

学会発表 学術論文
2011(平成23)年分 2011(平成23)年分
2012(平成24)年分 2012(平成24)年分
2013(平成25)年分 2013(平成25)年分
2014(平成26)年分 2014(平成26)年分
2015(平成27)年分 2015(平成27)年分
2016(平成28)年分 2016(平成28)年分

後期レジデント募集

現在、呼吸器腫瘍内科、呼吸器内科(各種肺疾患/感染症/肺結核)では常勤医、後期レジデントを募集しています。私たちといっしょに働いてみたいという方は、是非、当院までご連絡下さい。
詳しくは採用情報の項目をご参照下さい。

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